働きはじめて考えたこと。

受験指導を中心に働きながら、考えたことを書き連ねていきます。

個別指導塾という形態の未来について思うこと。

個別指導というスタイルは、10年位前まではあまり一般的ではなかったような気がする。

気がする、というのは自分が受験時代にあまり出会わなかった、友人に通っていた人がいなかった、というだけで何も根拠はないのだが――

個別指導とは、講師:生徒=1:1 or 1:2のものを言い、それ以上(3~10人くらい)であれば少人数指導と呼ばれるので、必然的に収益構造としてはかなりカツカツになる。

授業料から半分は運営に、半分が講師の取り分、経験の浅い講師であれば取り分はもう少し低いだろう。

そうすると、サラリーマンの時給とさほど変わりないかそれ以下になるので、労働時間が確保しにくい性質上、講師の身分としてはかなり厳しいものになる。

そこで、会社を掛け持ちをしたり、集団のクラスと掛け持ちしたり、学校で教えたりと色々と工夫することになるのだが…

自分はまだこの業界に入って間もないので、不満を感じつつも楽しくやらせてもらっているけれど、長年この業界にいる先生は、どう生活を立てていて、たとえば10年15年後も同じ働き方を続けられるのだろうか。

 

個別指導ゆえのメリットももちろんある。何より生徒との距離が近いこと。ひとり一人としっかりと向き合う上では、これ以上ない環境だろう。それと、専門が持ちにくいという欠点にもなるが、色々な科目を教えられるのは自分にとっては楽しい。

ただ、時給がある程度ないと正直、授業の準備に十分な時間をかけるのは厳しい。精神的にも、肉体的にも。

精神的にというのは純粋に、これ、授業準備の時間もあわせて均したら時給〇〇円だよな…と考えてしまって気力が萎える。

肉体的にというのは、佳境になると月100コマ以上講義をしていたりするので、そもそも万全の準備など望めるはずもなく、最低限の準備でお茶を濁すしかないというのもある。

いずれにしても、結構しんどい割にpayが悪い(加えて生徒側の金銭的負担も重い)ので、あまり個人としても業界としても未来は感じない。

今の2倍か3倍もらえれば、金銭的には不満はないのだが、中学受験の一部と医学部受験の一部以外は無理だろう。そしてそうしたお金持ちの子供だけを教えるというのは何か違う気がしてしまう。

 

ネットやアプリを利用した個別指導の試みもいろいろと登場している。

ただ、自分がざっと見た限りだとそれほどテクノロジーの恩恵を感じさせる革新的なサービスは出てきていない。

教育制度の改革に左右されるし、少子化傾向、所得水準の低下傾向が続くとすればその影響が直撃する業界でもある。

そうした中で生き残り、そこそこの満足度と安定を手に入れようとすれば、どのような姿勢での努力が必要なのか。

今はまだ目の前の仕事に向き合うくらいしかできていないが、代替わりを迎え時間にゆとりができる2月に備えて、そろそろ考えをまとめていきたいところだ。